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お話を書いてみたよ!!
すいません・・・。
色々僕自身も忙しい時期になりまして、
更新が途絶えそうです・・・。
頑張って3日に1日は更新できるように頑張ります。
それなのに!!
また旅に出かけます。
今度は九州に行きます!!
水曜どうでしょうの並の旅の頻度(笑)
まぁ沖縄の旅の話を途中ですが・・・
さて今日は1つ僕が書いた短編小説を載せたいと思います。
Mixi日記には載せたのですが・・・
友人がブログにも載せてみればというので(笑)
タイトル『1杯のコーヒー』
1杯のコーヒー。
この一杯のコーヒーが何を語ってくれるのだろうか?
人生のほろ苦さだろうか?
ここに男が独りいる。
名は大沼と言う。
個人で経営している喫茶店で常連客にコーヒーを出して生計を立てている。
そして彼は夕暮れに飲む1杯のコーヒーに生き甲斐を感じている。
カウンター越しに立ちながら飲むコーヒーは彼の唯一の至福の贅沢といえよう。
そんなある日、
今日の夕暮れは誰もお客がいない少し遅めの至福の時間。
至福の時間のはずが最近は自問自答の時間ともいえる。
景気回復と聞くが客が少なくなっているのは否定できない…。
もう昔のようにコーヒーを出すだけの喫茶店は流行らないのだろうか?
そんな時独りの若い男が店に入ってきた。
若い男「ごめんください」
大沼「いらっしゃい!!」
若い男「まだやってますか?」
大沼「えぇ、やってますよ。」
この若い男、
下ろし立てなスーツ、真新しい鞄、茶封筒を抱えてる。
大沼「何にしますか?」
若い男「そうだなー、じゃあマスターが飲んでるの下さい。」
大沼「これですか!!?」
若い男「はい!」
大沼「これは飛び切り苦いやつですけど良いですか?」
若い男「ぜひ!!」
大沼「本当に良いですか?」
「これは私と極一部の物好きな常連さんしか飲まないやつなんですよ。」
若い男「そう!それです。その飛び切り苦いの下さい。」
大沼「・・・」
「わかりました。ただしミルクと砂糖はお出ししますよ。」
若い男「はい!御願いします。」
大沼は若い男の不思議な反応に疑問に思いながらも、
自分が飲んでいるのと同じ飛びきり苦いコーヒーを出した。
そして他に客もいないことだしと思い男は若い男に話しかけてみることにした。
初めて来るスーツ姿のお客に言うセリフは決まっている。
大沼「今日は外回りだったんですか?」
若い男「いえ・・・この近くの会社の面接に受けてきたんですよ!」
大沼「・・・。」
(頷きながらコーヒーをすする。)
若い男「いや~中々難しい時代ですね・・・。」
「少し前まで音楽でのし上がっていこうと思っていたんですがダメでした。」
大沼「・・・。」
(頷きながらコーヒーすする。)
若い男「祖父は応援してくれてたんですけどね・・・。」
「所詮趣味から毛のはえたものでした(笑)。」
大沼「大変な世界らしいですからね。」
若い男「頑張ってインディーズでCD出したんですけど、」
「全くもって売れませんでしたよ・・・。」
「あ!タバスコなんて聞いたことないですよね?」
大沼「すいません、最近の音楽詳しくないもので…。」
若い男「いえ!誰も知りませんから(笑)」
大沼は何処かで聞いたことある名前だと思っていたが黙っていた。
若い男「いや~言われた通り、このコーヒー苦いですね。」
大沼「気にせずに砂糖とミルク入れてくださいね。」
若い男「い、いや、このコーヒーはブラックじゃないと(笑)」
大沼「先程、私と極一部の常連さんしか飲まないと言いましたが、」
「実は常連さんと言っても一人だけなんですよ(笑)」
「最近は来られないのですが・・・」
「ちょうどお客さんの隣の席に座ってその飛び切り苦いコーヒーを飲んでました。」
「飲みながらよく話してくれるんですよ。」
「このほろ苦さが人生の味だ!と…。」
「そしてお決まりのお孫さんの自慢話してくれるんですよ。」
・・・。
・・・。
"あ・・・!!"
若い男はニコリと笑う。
若い男「お気付きになりました?」
大沼「もしかして…蟹江さんの?」
若い男「そうです。いちおう自慢の孫です(笑)」
大沼「蟹江さんはお元気ですか?」
蟹江孫「実は・・・つい一ヶ月前に・・・」
大沼「そうだったんですか・・・。」
「それで最近お見えにならなかったんですね。」
蟹江孫「いえ、もっと早く来たかったんですけど色々忙しくて。」
大沼「蟹江さんにはよくしてもらってましたから。」
蟹江孫「そのようですね・・・。」
「死ぬ直前まで祖父が言ってました。」
「マスターが出す飛び切り苦いコーヒーがまた飲みたいと。」
「そしたらつい先日祖父の部屋からココのマッチが出てきまして・・・」
「今日の会社に丁度近かったものですから。」
大沼「そうでしたか・・・。」
・・・。
・・・。
・・・。
数分の沈黙が走る。
沈黙を破ったのは若い男だった。
蟹江孫「もう少し祖父の話を聞かせてくれませんか?」
大沼「そうですね~。」
「お客さんの自慢話の最後の頃にですね、」
「自分は戦後復旧時代で生きることで精一杯だったから、」
「豊かな時代に生まれたお客さんの世代の子達には好きなことをして生きてもらいたい。」
「年寄りはこうして黙って見守りゃいいーんだ!!」
「そうおっしゃって豪快に笑っていらっしゃいましたね。」
蟹江孫「そうですか…。」
・・・。
・・・。
また数分の沈黙の後、
蟹江孫「やっぱり苦いや…。」
そういって苦いコーヒーをすすり飲む。
蟹江孫「ねぇ、マスター!?」
大沼「はい!?」
蟹江孫「またこの苦いコーヒーを飲みに来ても良いですか?」
大沼「もちろん!!いつでもお待ちしてますよ。」
自然と大沼には笑みがこぼれた・・・。
そういって苦い男・・・
いや常連客蟹江の孫は帰っていった。
泣いていたのか笑顔でいたのかわからなかったが・・・。
1杯のコーヒー。
この1杯のコーヒーが何を語ってくれるのだろうか?
人生のほろ苦さだろうか?
大沼は蟹江のような答えはまだでていない。
しかし 大沼は思った!!
答えがでるまではココでコーヒーを出し続けようと。
そんなある日夕暮れのお話。
色々僕自身も忙しい時期になりまして、
更新が途絶えそうです・・・。
頑張って3日に1日は更新できるように頑張ります。
それなのに!!
また旅に出かけます。
今度は九州に行きます!!
水曜どうでしょうの並の旅の頻度(笑)
まぁ沖縄の旅の話を途中ですが・・・
さて今日は1つ僕が書いた短編小説を載せたいと思います。
Mixi日記には載せたのですが・・・
友人がブログにも載せてみればというので(笑)
タイトル『1杯のコーヒー』
1杯のコーヒー。
この一杯のコーヒーが何を語ってくれるのだろうか?
人生のほろ苦さだろうか?
ここに男が独りいる。
名は大沼と言う。
個人で経営している喫茶店で常連客にコーヒーを出して生計を立てている。
そして彼は夕暮れに飲む1杯のコーヒーに生き甲斐を感じている。
カウンター越しに立ちながら飲むコーヒーは彼の唯一の至福の贅沢といえよう。
そんなある日、
今日の夕暮れは誰もお客がいない少し遅めの至福の時間。
至福の時間のはずが最近は自問自答の時間ともいえる。
景気回復と聞くが客が少なくなっているのは否定できない…。
もう昔のようにコーヒーを出すだけの喫茶店は流行らないのだろうか?
そんな時独りの若い男が店に入ってきた。
若い男「ごめんください」
大沼「いらっしゃい!!」
若い男「まだやってますか?」
大沼「えぇ、やってますよ。」
この若い男、
下ろし立てなスーツ、真新しい鞄、茶封筒を抱えてる。
大沼「何にしますか?」
若い男「そうだなー、じゃあマスターが飲んでるの下さい。」
大沼「これですか!!?」
若い男「はい!」
大沼「これは飛び切り苦いやつですけど良いですか?」
若い男「ぜひ!!」
大沼「本当に良いですか?」
「これは私と極一部の物好きな常連さんしか飲まないやつなんですよ。」
若い男「そう!それです。その飛び切り苦いの下さい。」
大沼「・・・」
「わかりました。ただしミルクと砂糖はお出ししますよ。」
若い男「はい!御願いします。」
大沼は若い男の不思議な反応に疑問に思いながらも、
自分が飲んでいるのと同じ飛びきり苦いコーヒーを出した。
そして他に客もいないことだしと思い男は若い男に話しかけてみることにした。
初めて来るスーツ姿のお客に言うセリフは決まっている。
大沼「今日は外回りだったんですか?」
若い男「いえ・・・この近くの会社の面接に受けてきたんですよ!」
大沼「・・・。」
(頷きながらコーヒーをすする。)
若い男「いや~中々難しい時代ですね・・・。」
「少し前まで音楽でのし上がっていこうと思っていたんですがダメでした。」
大沼「・・・。」
(頷きながらコーヒーすする。)
若い男「祖父は応援してくれてたんですけどね・・・。」
「所詮趣味から毛のはえたものでした(笑)。」
大沼「大変な世界らしいですからね。」
若い男「頑張ってインディーズでCD出したんですけど、」
「全くもって売れませんでしたよ・・・。」
「あ!タバスコなんて聞いたことないですよね?」
大沼「すいません、最近の音楽詳しくないもので…。」
若い男「いえ!誰も知りませんから(笑)」
大沼は何処かで聞いたことある名前だと思っていたが黙っていた。
若い男「いや~言われた通り、このコーヒー苦いですね。」
大沼「気にせずに砂糖とミルク入れてくださいね。」
若い男「い、いや、このコーヒーはブラックじゃないと(笑)」
大沼「先程、私と極一部の常連さんしか飲まないと言いましたが、」
「実は常連さんと言っても一人だけなんですよ(笑)」
「最近は来られないのですが・・・」
「ちょうどお客さんの隣の席に座ってその飛び切り苦いコーヒーを飲んでました。」
「飲みながらよく話してくれるんですよ。」
「このほろ苦さが人生の味だ!と…。」
「そしてお決まりのお孫さんの自慢話してくれるんですよ。」
・・・。
・・・。
"あ・・・!!"
若い男はニコリと笑う。
若い男「お気付きになりました?」
大沼「もしかして…蟹江さんの?」
若い男「そうです。いちおう自慢の孫です(笑)」
大沼「蟹江さんはお元気ですか?」
蟹江孫「実は・・・つい一ヶ月前に・・・」
大沼「そうだったんですか・・・。」
「それで最近お見えにならなかったんですね。」
蟹江孫「いえ、もっと早く来たかったんですけど色々忙しくて。」
大沼「蟹江さんにはよくしてもらってましたから。」
蟹江孫「そのようですね・・・。」
「死ぬ直前まで祖父が言ってました。」
「マスターが出す飛び切り苦いコーヒーがまた飲みたいと。」
「そしたらつい先日祖父の部屋からココのマッチが出てきまして・・・」
「今日の会社に丁度近かったものですから。」
大沼「そうでしたか・・・。」
・・・。
・・・。
・・・。
数分の沈黙が走る。
沈黙を破ったのは若い男だった。
蟹江孫「もう少し祖父の話を聞かせてくれませんか?」
大沼「そうですね~。」
「お客さんの自慢話の最後の頃にですね、」
「自分は戦後復旧時代で生きることで精一杯だったから、」
「豊かな時代に生まれたお客さんの世代の子達には好きなことをして生きてもらいたい。」
「年寄りはこうして黙って見守りゃいいーんだ!!」
「そうおっしゃって豪快に笑っていらっしゃいましたね。」
蟹江孫「そうですか…。」
・・・。
・・・。
また数分の沈黙の後、
蟹江孫「やっぱり苦いや…。」
そういって苦いコーヒーをすすり飲む。
蟹江孫「ねぇ、マスター!?」
大沼「はい!?」
蟹江孫「またこの苦いコーヒーを飲みに来ても良いですか?」
大沼「もちろん!!いつでもお待ちしてますよ。」
自然と大沼には笑みがこぼれた・・・。
そういって苦い男・・・
いや常連客蟹江の孫は帰っていった。
泣いていたのか笑顔でいたのかわからなかったが・・・。
1杯のコーヒー。
この1杯のコーヒーが何を語ってくれるのだろうか?
人生のほろ苦さだろうか?
大沼は蟹江のような答えはまだでていない。
しかし 大沼は思った!!
答えがでるまではココでコーヒーを出し続けようと。
そんなある日夕暮れのお話。
PR
今度は九州ですか~!羨ましいかぎりです!!
やっぱりいい話だ~!!人生のほろ苦さね…僕はまだ甘ちゃんですから分からないですが、これからどんどん知っていくんでしょうね…!怖いけど楽しみでもあります!!
返信遅れました・・・。
Mixiでもブログでも拙いの読ませてしまい申し訳ないです(-_-;)
やっぱり生きていくとほろ苦い人生を送って行くとカッコイイ人なって行くんじゃないかと思いうわけです(笑)
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